ほめ方のコツ


上手なほめ方がわからない人はいませんか?

前回の記事で「ニューロ・ロジカル・レベル」を紹介しましたが、褒めるときにもこのニューロ・ロジカル・レベルを意識すると、褒め方のコツが分かります。

誰かを褒めるときは、その人が褒めるに値することをした直後ということが多いはずです。
その人の行動を褒める訳です。

これはニューロ・ロジカル・レベルでいうと、「行動」や「能力」レベルを褒めることになります。

具体的な褒め言葉としては、「○○できて素晴らしいね」「○○できてえらいね」というような言葉になります。
「○○できて」という条件がついている形です。

通常はこのような「行動」や「能力」レベルを褒めることはとても良いことです。ですから、褒める側として褒めるに値する「行動」や「能力」を常日頃から観察しておくことも大切になります。

ただ、このような褒め方ばかりしていると問題が生じることもあります。

「○○だけ、しっかりやっておけばいいのだな」「○○以外はいい加減にしておいてもよいのだな」と相手に思わせて、そのように相手を育ててしまう可能性があるのです。
つまり、「要領のよい人」を育ててしまうことがあるのです。
これは相手が大人でも子どもでもありえることです。

そこでこのような「要領のよい人」ではなく、相手の「心」を育てるためには、ニューロ・ロジカル・レベルの「アイデンティティーレベル」を褒めるとよいです。

具体的には、「行動」や「能力」レベルを褒めたときの「○○できて」という条件をはずして、相手の人格そのものを褒める形にします。

「○○できて素晴らしいね」(行動レベル)
 ↓
「君は素晴らしいね」(アイデンティティーレベル)

「○○できてえらいね」(行動レベル)
 ↓
「君はえらいね」(アイデンティティーレベル)

アイデンティティーを褒められると、相手は「自分は素晴らしいんだ」「自分はえらいんだ」と思います。このときアイデンティティー(自己概念)に良い変化が起きて、自己肯定感も高まります。

そしてここが重要なところですが、アイデンティティーに変化が起きると、「行動」や「能力」にも変化が連動して起きるのです。
ここが人を教育するときの大きなコツのひとつと言えるでしょう。

「恩師」「メンター」「心の師匠」「名教育者」などと言われる人は、このアイデンティティーレベルに変化を起こす有効性と技術を熟知していると思われます。

今回の記事内容をまとめると、褒め方のコツは行動レベルや能力レベルだけでなく、アイデンティティーレベルも褒めるとよいということになります。

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