口が達者ならコミュニケーション上手というわけではない
口が達者な人がいます。
弁が立つ人がいます。
ペラペラとしゃべるその姿を見ると「さぞかしコミュニケーションが上手なのだろう」と思うことがありますが、必ずしもそうではありません。
その人が提供する情報量は普通の人よりも格段に多いことは間違いありません。
しかしそれだけでコミュニケーションがうまくいくとは限りません。
なぜか?
人の脳は大量の情報のほとんどを削除して、ごくわずかしか意識しないようになっているからです。
一説によると、人の脳は毎秒400字詰め原稿用紙約300枚相当の情報を得ていますが、そのうち意識できるのはわずか毎秒8文字分の情報に過ぎないと言われています。
これに関して、NLPでは脳の中に「フィルター」があって五感から得た情報を削除したり、歪曲したり、一般化したりしていると考えます。
「フィルター」といっても物理的にそのようなものが存在するわけではありません。
それは人それぞれが持つ「記憶」だったり、「信念」だったり、「考え方の癖」だったりします。これらがフィルターの役割を果たすのです。
ですから、コミュニケーションが上手な人とは、相手のフィルターを通過するように情報を提供できる人のことです。
つまり、相手のフィルターに削除されないように、歪曲されないように、一般化されないように情報提供できる人です。
だから口が達者で、たんに提供する情報量が多いだけではダメなのです。
それは相手に自分の話を聞くことを強制して疲れさせているだけかもしれません。
ということは、コミュニケーションが上手になるためには、まず「人はどのようなフィルターをもっているのか」について学ばないといけません。
NLPはフィルターについて多くのことを教えてくれます。